
RSとよばれるウイルスが原因で感染する、呼吸器系の感染症です。
もともとは風邪をひきおこすウイルスの一つでしたが、近年になってRSウイルスが発見されました。
接触と飛沫でうつります。
症状としては発熱、せき、鼻水などがあり、なかでもひどいせきが特徴とされています。
重症化すると肺炎になることもあり、とくに乳幼児への感染が心配されます。
2歳までにすべての人が感染するとされており、感染するたびに症状はかるくなっていきます。
ワクチンはなく、対症療法が治療の中心となります。
6歳児の感染のケース
始まりは、38.9度の発熱でした。
鼻水も出ていたので受診し、検査キットでRSウイルスであることがすぐにわかりました。
炎症反応をおさえるための点滴を受けましたが、じょじょに熱が上昇。
熱は40℃をこえたので子どもはぐったりとして、自分で歩くのもやっとの状態でした。
座薬をいれてもらい、自宅で様子を見ることになりました。
発熱から3日間の通院のあいだに毎日点滴を受け、抗生剤を2度も変えるなどしました。
しかし、解熱して安心した3日目ころにまた熱がぶりかえし、発熱は5日目にようやく終わりました。
また、子どもがしたとは思えないような大きな音のせきが・・・。
細気管支炎になってしまい、せきだけがしばらく続きました。
せきがとれて完治するのに1か月ほどかかりました。
ぜんそくを持つ子どものケース
ぜんそくを持つ4歳の子供が、RSに感染してすぐ入院しました。
せきがひどくなり、酸素吸入器を使用しながらの治療です。
24時間の抗生剤の点滴もうけていたので、ふつうの風邪のときにせきがとまらない場合よりは経過が順調でした。
せきはすぐになくなりませんでしたが、ぜんそくを持つわりには軽く済んだといえます。
肺炎などの症状を心配しましたが、それもありませんでした。
入院での集中的な治療だったので、3日で退院できました。
風邪のひとつですが
RSウイルス感染症は人によって症状の程度はさまざです。
風邪のひとつではありますが、思いもよらず症状が悪化することもあるので、経過に注意してください。